Vol.8  株式会社 そばの更科

法人から法人へ。新代表の2代目が担う製麺事業

引渡者
株式会社そばの更科
代表取締役 永田絅二さん
引受者
株式会社八重垣
代表取締役 三島一貴さん、三島一真さん
永田絅二さんと三島一貴さん、三島一真さんの画像

株式会社 そばの更科

所在地
〒501-5121 岐阜県郡上市白鳥町白鳥1068-1
TEL
0575-82-2402
設立
1978年
事業内容
食品製造・卸業

昔ながらの「しまだ式製麺法」、食品添加物の使用を最小限にする等こだわりの古式製法により、じっくりと時間をかけて製造。「奥美濃」ブランドの乾麺を主力商品として、生麺・茹麺・半生麺・冷凍麺まで幅広く手がけています。

事業引渡への背景

株式会社そばの更科・代表の永田絅二さんは、2024年80歳を迎えます。後継者がいないため、5年程前に郡上市商工会事業承継支援センターに登録しました。 登録後、これまでに数件の問合せがありましたが「思ったよりも規模が大きい」「コロナ禍で環境に変化があった」などで上手く継業が運ばなかった折、株式会社八重垣・三島一貴さんとの出会いがありました。

地元企業&ネット販売への期待が契約締結の決め手

八重垣が、そばの更科と同じ郡上市白鳥町の企業であること。PC関連事業者であること。そして従業員がそのまま働けることが、永田さんの決め手となりました。ネット販売という新たな販売方法での売上アップに期待を寄せる永田さん。従業員が継続して働けることに、事業承継の大きな意義を見出しました。

引渡者のコメント
広い施設と人材を引き継いでいただき感謝しています。1年かかると思っていた引き継ぎは、半年程で終えることができました。 現在8人の従業員がいますが、一時は40人程が働き、売上も今の10倍ほどありました。取引先も安心できる企業ばかりでしたが、時代の変化に加え、コロナ禍で環境が激変。頑張ってきてくれた従業員のことを考え、諦めず、できる限りのことをしたいと思っていた時に三島さんに出会い、いい人に引き受けてもらえたと思っています。 当社の麺は、手間と時間をかけて丁寧に作っています。そばの乾麺は、60時間かけてしっかり乾かす「しまだ式製麺法」で、そばの風味を損なうことなくお召し上がりいただけます。従業員たちにはこれまで培ったスキルを存分に生かして、より一層活躍してほしいです。
引受者のコメント
事業承継は、大和町のショッピングセンターPio内で営むレストラン事業に続き2件目です。飲食店を営んでいるため、食品製造にも興味を持っていました。ただ私自身は時間に余裕がなく、悩んでいた際、長男から継業をしたいとの一言があり決心しました。 事業承継の魅力は、前事業者によって培われた歴史を受け継ぐことです。永田さんが築いた技術力をしっかり引き継ぎながら、設備投資を行い、事業継続を進めます。現在、郡上市では休耕田が増え、田んぼから転作してそばを作る事業者が増えています。売り先があれば収穫量を増やすことができるとの話も聞きますので、当社でそばを買取し、休耕田対策にも寄与したいと考えています。新商品開発などにも積極的に取り組み、販路拡大を目指します。
そばの更科の製品の画像
そばの更科の製品
そばを乾燥している画像
60時間かけて乾燥させるそば
郡上市商工会 経営指導員
一二三卓朗さんより
経営革新として異業種に参入し、経営基盤を更なる高みへと目指す企業と、多くの従業員を雇用し、地域の重要な基幹産業としての歴史を紡いできた企業のマッチングが成功した事例です。 継業のお陰で、産業と雇用を残すことができました。新ブランドを立ち上げたいという、現経営者の思いに寄り添い、引き続き、伴走型支援を継続します。

TSUNAGUJO 郡上の事業継承の実績(事例)